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アパートの鉄骨階段、放置していませんか?

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腐食・錆・手摺り・踊り場の劣化は命に関わる—修理・補強の最前線2025年版


1. 鉄骨階段の「腐食」はなぜ起こる?アパート外階段の宿命

多くの賃貸アパートでは、外階段に鉄骨製の構造が採用されています。コンクリートより施工が早く、軽量かつコストを抑えられるため全国で普及していますが、鉄=腐食・錆との戦いが宿命です。

主な腐食の原因:

  • 雨水の侵入と排水不足
  • 融雪剤や潮風による塩害
  • 塗装劣化による素地の露出
  • 築20年超えでの防水層の崩壊
  • 手摺りや踊り場接合部の水たまり

放置しておくと、内部から錆が進行し、溶接部が断裂する恐れがあります。

 


2. 錆を放置するリスク:事故と責任は誰が負うのか

鉄骨階段の錆がもたらす最大のリスクは、「突然の崩落事故」。実際に、階段の踏板が抜け落ち、高齢者が骨折したというニュースが2023年以降全国で相次いでいます。

オーナー・管理会社が負う法的責任:

  • **民法第717条(工作物責任)**により、所有者は事故への賠償責任を負います。
  • 過失の有無に関わらず損害賠償が生じる判例あり
  • 損害額は数百万円から1,000万円を超える事例も。

つまり、錆を見て見ぬふりすることは、爆弾を抱えて生活しているのと同じです。


3. 手摺り・踊り場の劣化と転落事故の実例

手摺りや踊り場の補強は後回しにされがちですが、ここが一番危険です。

よくある劣化事例:

  • 手摺りのぐらつき → 転倒リスク
  • 踊り場の床板腐食 → 足元が抜ける
  • 接合部の溶接外れ → 階段全体の揺れ・崩壊

実際の事故例:

  • 神奈川県のアパートで、手摺りが腐食により転落事故オーナーが500万円超の慰謝料を支払い。
  • 北陸地域で、踊り場の踏み板が抜け、高齢者が階下へ転落

これらは、たった1ヶ所の補強工事で防げた事故なのです。

 


4. 修理と補強の選択肢:どこから手を付けるべきか

劣化の進行状況によって、取るべき対応は異なります。

軽度なケース:

  • サビ落とし+錆止め塗装+防水再施工
  • 部分的なビス止め補修やシーリング

中度〜重度なケース:

  • 手摺り支柱の新設溶接
  • 階段裏の補強板追加+新規溶接
  • 踊り場の鉄板張替え+骨材補強
  • 階段全体の取り替え

重要なのは、「とりあえず塗ればいい」では解決しないということ構造面の安全性を診断できる業者に依頼する必要があります。


5. 一般的な修理・溶接方法:専門業者の施工フロー

溶接による補強は、技術の差が出やすい工程です。

一般的な補修フロー:

  1. 腐食箇所のサビ除去(グラインダー使用)
  2. 腐った部材の切断・撤去
  3. 新しい部材を切断・溶接
  4. 溶接部の研磨・塗装
  5. 雨仕舞・防水施工(防水シートや止水材)

最近は、アーク溶接よりも半自動溶接やTIG溶接で強度を保ちつつ見た目も美しく仕上げる方法が主流です。

 


6. 工事費用の目安と補助金活用法

オーナーとして一番気になるのは「いくらかかるのか?ではないでしょうか。

費用目安(全国平均):

工事項目 費用目安(税込)
手摺り新設・補強 5万円〜15万円
踊り場の鉄板張替え 10万円〜25万円
階段1本丸ごと交換 40万円〜100万円

補助金制度の活用:

  • バリアフリー改修助成(自治体による)
  • 空き家再生支援事業
  • 地域の耐震・防災強化支援

※札幌市などの一部自治体では、鉄骨階段修繕への補助対象になることも。早期相談がカギです。


7. オーナー・管理会社が今すぐ取るべき行動

アパートオーナー・不動産管理会社として、今すぐできることは以下の通りです。

  • 築15年以上の物件は定期点検を依頼
  • 雨漏り・階段下のサビ跡などをチェック
  • 建物の構造図面と照合して補強部を確認
  • 事故が起きる前に業者に調査依頼

特に注意すべきは、「**一部の業者がとりあえず塗るだけで済ます」」こと。溶接技術があるか、補強設計できるかは業者選びの重要ポイントです。


8. 法的責任と安全義務:知っておくべき基礎知識

法的観点から、鉄骨階段の放置は「管理義務違反に問われる場合があります。

関連法令:

  • 建築基準法第8条:常に安全な状態を維持すべき
  • 民法第717条:工作物責任による損害賠償責任
  • 消防法:避難経路の安全確保義務

行政からの是正命令を受けることもあり、最悪の場合は罰則・営業停止にもつながる可能性があります。


9. 鉄骨階段リフォームの新潮流:デザイン×構造補強

最近では、単なる修理だけでなく意匠性を高めた階段リフォーム増えています。

  • パンチングメタル階段板の導入
  • LED内蔵の手摺り
  • 耐候性のあるガルバリウム合金採用
  • 滑り止め付き防水塗装

「見た目が美しい=入居者が安心して住める」。つまり、修繕は投です。資産価値の維持・向上につながります。


10. Q&A:鉄骨階段修理・補強のよくある質問

Q1:どのくらいの頻度で点検すべき?
A:5年に1回以上、できれば2年に1回の簡易点検が理想。

Q2:費用が心配です…分割支払いは可能?
A:業者によっては分割やローン対応も可。補助金併用で軽減可能です。

Q3:全交換と補強のどちらが良い?
A:腐食度合いと構造判断次第。専門業者の現地調査が必須。

Q4:DIYでの補修はできますか?
A:構造部(鉄骨)はNG。見た目を整える程度なら可。

Q5:どんな業者に頼めば安心?
A:溶接技術・構造理解・実績・保証制度の有無をチェック。


総まとめ:命を守るのは「早期修理」と「正しい補強」

鉄骨階段の腐食や錆、手摺りのぐらつき、踊り場の劣化——すべて「命に直結する構造劣化」です。今すぐに診断・補強を行うことで、重大事故・訴訟・空室化のリスクを防げます。

アパートオーナーや管理会社として、見て見ぬふりではなく「今、動く」ことが何より大切です。

 

サークルフェロー
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